こんにちは。KATOです。
前回の記事から。苦肉の策で導入されたワイヤレスのモニターアプリは果たして現場で活躍したのか?
中継の仕事が急に入り、準備のない僕はケーブルを挿したらモニターが使えないミラーレス機に、なんとかモニターを付けようと時間とお金のない中編み出された、iPhoneのワイヤレスモニターアプリで代用するというワザでカケに出たわけである。
現場は渋谷のレッドブルスタジオ。渋谷といえば僕の中では関東トップ3に入るくらい苦手な街である。あのどこからともなく出てくるネズミとゴキブリ、訳のわからん外国人に急に絡まれるスラムのような経験をして以来、渋谷が嫌いになった。
そんな僕は渋谷に住宅街があることなど知らないうえにそこにスタジオがあることも当然知らない。スタジオがある住宅地はわりと平和で、僕のイメージしていた渋谷とは随分と印象が違ったのに驚いた。まったく、これだから田舎モンは。
着いて早々に打合せが行われる。今回僕は一人足りないカメラマンの代わりとして呼ばれていた。他のスタッフ、カメラマンは皆、何度も顔を合わせている慣れた人達。アウェーであることは言うまでもない。
そして問題は発生する。
先ず、僕のカメラがマイクロフォーサーズ規格だということに問題が出た。向こうはカメラマン二人で、どちらもキャノンのシネマカメラである。何故問題なのかはさっぱりわからないがとにかくどうしようかとしきりに言われこっちも焦る上に困る。色の問題等もあるだろうが、オペレーターもディレクターもいないうえに有志で成り立っている現場が、機種の違いが問題になるほどクオリティに拘っているのかは疑問である。こっちは指定もされていなければ指示も受けていない。説明がなければこうなる事は想定出来たはず。気にしない。
要は中継さえ出来ればいいのだ。ここは開き直って例のアプリを準備しながら機材をセッティングするしかない。
アーティストの準備も整い、リハに入る。
ここでカメラマンの一人にiPhoneモニターの存在に気づかれ指摘される。
「そっか、君モニターないのかぁ」
恥ずかしい。恥ずかしいが素直に中継が初めてだと伝えて上手いことごまか、せてはないか。
恥ずかしいという時点で既に僕の中で微妙なアイテムの位置付けになったモニターアプリ。やはり所詮はアプリ。モニターはきちんとしたものを準備しよう。と心に誓った。
そして、リハーサルで実際に使ってみるわけだが、これがどうやらケーブルとWi-Fiを同時に使うと本体のモニターがブラックアウトするという仕様らしい。まぁ元々見える位置にないのだから気にすることはないのだが、いかんせんケーブルから出している映像がスルー表示なのでピーキングをはじめ、細かなパラメータを確認することが出来ない。
頼みのモニターアプリはというと、これまた微妙なタイムラグのおかげで設定を変更したのかわかりづらい上にフォーカスが全然合わない。
…こいつは、かなりグレートですよ。
なんとも言えない使い勝手の悪さに、ますます微妙な気持ちになる。
ちなみに、レッドブルスタジオと言うだけあって、ビルの中はフロントから何からそこら中にレッドブルの冷蔵庫があってエナジードリンクが飲み放題?でした。僕はカフェインが苦手なので飲めませんが、好きな人にはきっとたまらないんだろうなと思います。その日もスタッフをはじめアーティストの方々からみんなエナジードリンクを何本も何本も飲んでいた。それって大丈夫なのか?翼を授かりそうで心配だ。
本番が始まりカメラを回す。回すという表現で伝わるのか?今時の人には。僕も漏れずに今時の人ですが、何故か回すと言ってしまう。リモコンの巻き戻しもそうだ。テープもないこの時代に一体何を巻くのだろう。
まぁそれはいいとして本番はというと、結局向こうのスタッフの方が用意されていた、遠くの方に置かれたPCモニターの画を見ながらヤマカンでピントを合わせて中継をすることになりました。アプリの意味が全くない。
結果としてモニターアプリは役に立たなかったのですが、現場は上手いこと終了して事なきを得ました。やれやれだぜ。
このワイヤレス類が映像機器で実用的になる日は一体いつになるんでしょう。アップルが製品のオールワイヤレス化を図ってますが、やっぱり有線の信頼性はまだまだこれからも続くんだと思います。
そんなことを考えながらスタジオをあとに渋谷の街を歩いていたら、急にネズミが出てきてビックリしながらギックリ腰になりました。
ギャグです。
ギックリ腰になったのは本当です。セッティングの段階で重いものを運んだ際にやりました。
腰痛い…
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